そんなトラブルについての原因と応急処置・対処法について書きたいと思います。
ディーゼル車にはしばしば見られる症状で、ガソリン車の場合ほとんど見られません。
エンジンが止まらない!と言っても原因は様々、症状により異なります。
少し落ち着いて、今どういう症状で何が原因なのか、それがわかれば少しは安心です。
まずは症状を確認しましょう。
カギを回してエンジンを停めようとした時・・・
- オーディオ・メーター類は停止しているのにエンジンが止まらない。
エンジンが止まらないという事以外、他に異音等の異常が見られない →→【1】・【2】へ - エンジンを止めたら普段聞きなれないスゴイ音がエンジンルームからしてきた →→【3】へ
- カギを回しているのに全く変化が起きない(オーディオも消えない) →→【4】へ
【1】“エンジンを止める為のパーツ”の不良
ランクル60のディーゼル車で鍵を回してオーディオ類は止まっているのにエンジンがかかりっぱなしでエンジンが止まらない・・・
そんな時に一番可能性が高いのはこちら。
ディーゼル燃料はガソリン燃料と異なり、エンジン内で自然発火しています。
- ガソリンの場合、プラグに電気を送ってガソリンに火花を散らすことで爆発。エンジンがかかっています。
→電気がとまればエンジンが止まります。 - ディーゼルの場合、エンジンが動いている反動でディーゼル燃料を圧縮。圧縮率が一定以上になると勝手に爆発します。
→エンジンを止める為には【燃料を止める】または【空気を止める】必要があります。
エンジン型式により多少方法は異なりますが、エンジンを止める為の部品があるのです。
この部品が作動不良を起こすことでエンジンが止まらない、という事が起きます。
12HTディーゼルターボ(HJ61V)の場合
12HTはエンジンルームに送られる空気を止める為のダイアグラムという部品が原因。
動かなくなってしまった所を手でグイッと動かしてあげればエンジンが止まります。
応急的にエンジンを止めてあげる方法はコチラ
エンジンの運転席側にこんなパーツがあります。
これを手でグイッと右に押します。
これでエンジンが止まります。
ダイアグラムとはコレ。
エンジンの負圧(空気の圧力)で動いています。
ホースが抜けていたり、切れていたりしても動かないので念の為確認してください。
カギを回してみて、【ココ】が動いていなければ、間違いありません。
※※窓を開けて、左手でカギを持って、見ながらカギを回してみて下さい※※
≪参考≫エンジンをふかしてカギを回すと止まる場合もあります
これは負圧がエンジンをふかすことにより増え、ダイアグラムが動くようになる。
ということが考えられます。
2Hディーゼルノンターボ(HJ60V)の場合
2Hの場合、空気を止めるのではなく、ディーゼル燃料をカットします。
ダイアグラムでは無く、モーターを使用しています。
このモーターの作動不良により、エンジンが止まらない、という事が起こります。
(12HTのダイアグラム不良と比べると症例は少ないです)
応急的にエンジンを止めてあげる方法はコチラ
※写真はMT車です。ATの場合、画像と若干異なりますが概ね同じ場所に似た感じのものがありますので探してみて下さい※
エンジンルームの運転席側にこんなパーツがります。
(噴射ポンプの脇あたり)
レバーをギュッと右側に押してみます。
これでエンジンが止まります。
レバーについているロッド(棒)の先にモーターがあります。
一度動かしてあげれば次回から何事もなかったようになる場合もあります。
3Bエンジン(BJ60V・BJ61V)の場合
3Bは2Hと同じ、燃料を止めるタイプです。
場所は2Hとは逆の助手席側にあります。
応急的にエンジンを止めてあげる方法はコチラ
エンジンの助手席側にこんなパーツがあります。
(2Hと同じく噴射ポンプの脇)
左側にクイッと回してあげます。
これでエンジンが止まります。
ロッド(棒)の付け根にあるモーターです。
モーターでロッドを動かすことでエンジンを止めています。
【2】火種が残っている
エンジンルーム内に火種が残っている場合、エンジンが止まらない、というケースもあるようです。
この場合、原因は簡単には言えませんが、エンジンをふかしてから止めると止まることもあるようです。
ガソリンのキャブの場合も火種が残ることにより止まらない場合もありますが、ガソリンの場合は数秒後、止まります。
同じくふかしてから止めることでこの症状は起きにくなります。
【3】セルモーターのオーバーラン
セルモーターとはエンジンをかける際に『キュルキュルキュル』と音がするパーツ、これがセルモーターです。本来はエンジンをかける為のモーターです。
エンジンを止めたのに、ものすごい音が(ガシャガシャガシャと・・・)してエンジンが止まらない場合はセルモーターのオーバーランの可能性が高いです。
オーバーランとは
ランクル80(ディーゼル)でもよくある症状で、ランクル80の場合はサービスキャンペーンに該当しています。ランクル80のオーバーランが起きた場合は、地域の整備工場ではなく、トヨタディーラーに相談してください。
大抵の場合は無料で交換してもらえます。
※サービスキャンペーンの事を知らない整備工場では普通に有料修理となります※
※ランクル60はサービスキャンペーンには該当しません※
本来、“エンジンをかける際にだけ” モーターの頭がポコッと出てきて、フライホイールのリングギアを回してエンジンをかけるのですが、モーターの頭が出っ放しになってしまう症状、これがオーバーランです。
オーバーランが起きたら助手席側のバッテリーのマイナス端子を外す
ランクル60の場合、運転席側と助手席側にバッテリーが二つあります。
どれか一つの端子を外せばオーバーラン自体は止まりますが・・・
安全の為、助手席のマイナス端子を外してください。
通常、10mmまたは12mmのスパナ・メガネで外せます。
(カスタム等で変更してある場合もあります)
なるべく早く止めて下さい!!
このまま放っておく(ガシャガシャと音が鳴る状態のまま)でいると、セルモーターから煙が出てきます。
モーターが焼けてしまうとリビルト対応(ダメなモーターを下取り)にできない場合も出てきてしまうので、なるべく早めにマイナス端子を外して止めて下さい!!
突然起こる、前兆の無いトラブルです
セルモーターを始め、モーターのトラブルは突然起こります。
前兆が無いので予めメンテナンスしておく、ということが難しい部分になるので、起こりうる可能性がある、ということや、対処の方法を理解しておくことも大切だと思います。
【4】キーシリンダーの根元:イグニッションスイッチ周りの不良
鍵を回しているのにもかかわらず、オーディオも止まらないし、カギを回しているのと一切変わらない・・・という時はイグニッションスイッチの不良が考えられます。
この場合、エンジンを一度止めたら次にエンジンがかからない、という可能性も高いので、そのまま置いておいてよい場所でエンジンを止めることをお勧めします。
応急的にエンジンを止めてしまうためには
上記の【1】の方法でまずエンジンを止める
ディーゼルエンジンの場合、上記で説明した【1】の方法でエンジンを止めることができます。
まずはエンジンを止めて下さい。
続いて助手席側のバッテリーのマイナス端子を外す
エンジンを止めただけだと、イグニッションONの状態のまま(オーディオ等が付きっ放し)ですので、バッテリーが上がってしまいます。
→→助手席側のバッテリーのマイナス端子を外してください。
以上、ランクル60でエンジンが止まらないトラブルに関する原因と対処法(応急処置)でした。
これ以外の原因や症状もあるかとは思いますが(例えば後付けのターボタイマーの不良など…)可能性として挙げられる原因と、対処法について書いてみました。
トラブルにあってしまった際、トラブルの前に参考予備知識として見て頂けたら嬉しいです。
ランクル60は生産終了から25年以上経った今でもデザイン、スタイルなどなどとても人気があるお車です。故障やトラブルが心配・・・という方も多いと思いますが、しっかりとした知識と技術をもったお店で整備をしていればそんなに心配しないといけないクルマではありません。
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