新型300系ハイエースは‟セミボンネット”タイプで登場!?
ハイエースのフルモデルチェンジについて様々な憶測が飛び交っていますね。その発表(発売)時期は2019年?2020年?残念ながら今日現在ハッキリとした情報はつかめておりませんが、どうやらセミボンネット(セミキャブオーバー)タイプになるようです。
ハイエースと言えば『キャブオーバー』と呼ばれるボンネットレス(ボンネットが突出していない)な真四角なボディが魅力のひとつ。ナンバー登録にボディサイズの規定がある地域ではその規定内で目一杯空間を利用できるボディ形状として『キャブオーバー』タイプの自動車はとりわけビジネスシーンにおいて、また趣味をお持ちのユーザーからも一定のニーズがある事は事実。そのユーティリティ性の高さをハイエース購入の理由にして来た方々には次期ハイエースのボディ形状はとても気になるところではないでしょうか?
カッコいい、悪いは別の話になりますので今回は触れませんが、世界的な自動車を取り巻く環境から考慮してもフルモデルチェンジする次期ハイエースは『セミボンネット』タイプになる事は避けられないと言われています。
各方面で‟次期ハイエース”に一番近いと取り上げられているトヨタがヨーロッパで発売しているプジョー/シトロエンと共同開発した『プロエース』。ご覧通りセミボンネットタイプです。何故セミボンネットタイプなのか?と言えばズバリ衝突安全の観点からに他なりません。世界的に見ても自動車の安全性についてはアクティブ(事故を未然に防ぐ)、パッシブ(もしもの事故時)共に重要な性能のひとつになっています。クラッシャブルゾーンを設けることが可能なセミボンネットタイプがキャブオーバータイプに比べて衝突安全性を確保出来そうなのは誰もが想像し易い事です。
日本国内にはハイエースに限らず 日産のNV350(キャラバン)、一部軽自動車にボンネットレスタイプのキャブオーバー車が存在しますが世界を見渡すと極めて特殊であることが分かります。世界のCV(コマーシャルビークル)を見てみましょう。
世界のVAN(バン)はセミボンネットタイプが主流
USA(アメリカ)のLCV 一例
こちらはGMCのサバナ。セミボンネットタイプの大型VANです。ボンネット以降を必要な大きさで作れば良いお土地柄のアメリカ。それでもセミボンネットタイプなんですね。ちなみにアメリカでは大型のトラック(トレーラー)はボンネットタイプが人気なようです。キャブオーバーは人気がないそうですよ。
当時一世を風靡したアストロ。日本ではLCVとしてと言うよりパッセンジャーカーとしてのイメージが強いですが本国では‟商用車”としての性格を持っていました。1985年誕生よりセミボンネットタイプ。
1979年モデルのダッヂ ラムバン。同時 衝突安全を考えてのこのデザインかどうかは?ですが…こんなに昔からセミボンネットタイプのバンです。
アメリカ車にも「キャブオーバー車」は存在します!1960年代の初代フォード ファルコンエコノライン!2代目からは…↓↓↓
1968年にはセミボンネットタイプにモデルチェンジしています。
フォード エコノラインの後継モデルになる「トランジット」もセミボンネットタイプ。
かなり前からセミボンネットタイプのVANが存在していたことが分かります。現行モデルでは大型のトラック(トレーラー)以外でキャブオーバー車を見つける事は出来ません。
欧州(ヨーロッパ)のLCV 一例
世界シェアNo.1(2017年)のフォルクスワーゲンのコマーシャルビークル‟トランスポーター”もセミボンネットタイプ。
少し大きくなりますがベンツのLCV‟スプリンター”もセミボンネットタイプ。
日産もセミボンネットタイプの国内未発売『NV300』をヨーロッパ市場で発売中
トヨタ『プロエース』同様、日産も欧州市場向けのLCV『NV300』を発売中。
同車はルノー、オペル、フィアットなどからも名前を変えて発売されています。
ルノー 『トラフィック』
オペル 『ヴィヴァーロ』
自動車の様々な基準が厳しいとされる欧州。数多くのメーカーが存在しますが大型トラック以外にキャブオーバー車を見受ける事はありません。
LCVと呼ばれるカテゴリーの車種は世界的にセミボンネットが当たり前と言える訳です!
世界でもハイエースの様なキャブオーバータイプは極めて稀な存在であることがお分かりいただけると思います。
近年盗難率の高い車種としても有名な「ハイエース」ですが、これは転売先である諸外国でも人気(売値、換金率)が異常に高いからと言われています。ロシア、アフリカ、アジアの各国などでは絶大な人気を誇る車種と言って良いでしょう。きっとキャブオーバータイプのままモデルチェンジをしても需要のあるクルマであるはずです。
とは言え、プジョー、シトロエンとの共同開発となる「プロエース」ではなく‟トヨタ”ブランドとしての次期「ハイエース300系」が全世界市場で支持を得るにはセミボンネットタイプにする方が自然な考え方ですね。
もちろんセミボンネットタイプになる事によって物理的に室内が狭くなってしまう事は避けられません。そこはプロエースと同じようにボディのバリエーションを持たせてコンパクト、ミディアム、ロングなどもラインナップしてくるのではないでしょうか?
プロエースには3種類のボディ レングスのバリエーションがあります。ちなみに日本国内では小型貨物(4ナンバー)を取得するには車長が4.7m以下である必要があります。
東京モーターショーに登場したトヨタLCVコンセプト
次期ハイエースのヒントになるかどうかは?ですが…
このまま市販するにはあまり現実的ではありませんが…東京モーターショーに登場したトヨタLCVコンセプトは文字通りLCV(ライトコマーシャルビークル)=小型商用車のコンセプトモデル。そのフォルムは紛れもなくセミボンネットタイプです。
次期ハイエースはモデルチェンジで果たしてどんなデザインになるのか…とても楽しみですネ。モデルチェンジをしても現在までのキャブオーバータイプとセミボンネットタイプを併売するのでは?との情報もあります。利便性をとるか?安全性で選ぶか?悩ましいところですね。
ハイエースのフルモデルチェンジ、新型300系については関連ページにて更に詳しく考察しています!合わせてお読みください。
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